表題の通り招待状が届きました。最初に触れておきますが、一月分20ドル掛かります。無料ではありません。このへんしっかりしてますね。
ベータテスターと、あらかじめiRacing.comのサイトでレジストしてた面々に対して、招待状が送られた模様。ということでわたしの元に届いたようです。一般人への開放前に関わりのあった人々と前祝い・・・いやバグだしにつきあってくれとの申し出。断る理由はありませんが、有償なんですよね。
一般開放よりちょっと前に試すことができる機会です。いまからレジストして果たして招待状が届くのかどうか、ちと分かりません。でも、タダじゃないんですよね(←ひつこい)。
話は違いますが・・・・以下はお暇なかたのみお読みください。
デイブ・キーマーとともにiRacing.comを仕切ってるジョン・ヘンリー、彼が全米でも屈指の投資家でありまた資産家でもあり、さらにボストンレッドソックスの実質オーナーであることは、みなさんもご存じだと思います。アメリカでは知らない人はいないという存在のようですよ。あえて日本に当てはめるなら、孫正義ですね。
数ヶ月前のことですが、NHKで、ジョン・ヘンリーが大リーグ経営にもたらしたインパクトについて描いたドキュメンタリーを放映していました。
彼は選手獲得についても、積極的に関与しているそうなんです。ただ、獲得にあたって、彼の本来のフィールドである商品先物投資の世界でつちかった合理的な分析手法をつかって選手の本質的な価値を割り出すんですね。そして、安く買って、選手の価値を最大限に引き出すということを狙う。ナベツネみたいに好き嫌いにもとづき高値で買い、そのあといつも坂を転げ落ちるなんてことはない。
彼が商品先物取引の世界で成功したのは、ある商品の値動きを知るために、独自の指標を開発してきたからなんだそうです。ある指標の変化に注目し、狙っている商品の将来の値動きを読む。指標と商品価格との関係が合理的であるなら、商品を安値のうちに買って高値で売り抜けることが可能。
これに類することを選手獲得に用いて、じじつ、岡島やオルティスという成功例をもたらしているわけです。
投手については従来、防御率というものが投手の能力をあらわす最適な指標だと考えられてきました。しかしこの指標では、野手の守備力も反映されてしまい、投手本来の能力が的確に判断できないという欠陥がありました。そこで、ジョン・ヘンリーは、あらたな指標を持ち込みます。三振の数をフォーボールの数で割るという単純な指標です。この数値が高い投手が能力の高い投手というわけです。この数値が高くて、しかもあまり活躍の場が与えられず、年俸が安い投手がお買い得。岡島がまさにそれでした。獲得の数年前からレッドソックスは岡島に注目していたそうです。
打者の能力の指標については、「第二の打率」というものを導入したそうです。これは
(塁打数−安打+四球+盗塁)÷打数
で出すそうです。これはもともと、アマチュアの野球研究家がネット上に公開していた論文に書かれていたことだそうです。ジョン・ヘンリーは自らネットでそれを見つけ、研究家に連絡を取り、そしてレッドソックスのスカウティングスタッフに起用してしまったとか。オルティスはまさにこの指標に基づいて引っ張られてきたのだとそのドキュメンタリーは語っておりました。(私は、なんで塁打数から一度安打数を引いちゃうのか、いまひとつわからんのですよね。一打席あたりの進塁数(四球盗塁含め)が、その打者の能力を近似的にあらわすという点まではわかるんですけど。割るのが打席数じゃなく打数なのも分かります)
画面に登場するジョン・ヘンリーは、マネーの世界でブイブイ言わせているような山師的な風貌など欠片もなく、針金のような筋張った細身の体躯に、さえない顔色をレーバンかなんかの色眼鏡で隠し、サンダーバードのあやつり人形のように、風に吹かれるとゆらゆらと揺れてしまいそうな頼りなげな印象の人物だったのが意外でした。もうちょっと日に当たったほうがいいんじゃないかとアドバイスをしたくなるんですよ。そう、坊ちゃんのうらなりだな、ありゃ。常識からすると異端に近い上記のような怜悧な分析は、こういう人物の脳髄からでてくるんだなと、感心した次第。不思議な感じがいたしました。しかし不思議であろうとなかろうと、レッドソックスがいま押しも押されもしない強豪にのし上がっているのは事実なのです。
iRacing.comというのは、そういう人物の趣味の延長でできあがってきたものなのでした。本格サービス前に、ちと触れておきたく、長文御免。
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