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[237] 葉巻型F1の操作の難易度について 
2003/10/29 (水) 08:04:41 brubeck

▼ murakamiさん

さらにぼちぼちと続けさせてください。

GPLとの比較については、のちに譲ることにしまして、我々が普段乗っている乗用車との違いという点で、どうなのか、ということについてうかがわせてください。

資料としてお読みいただいたJyoさんとのインタビュー記事にあったことなのですが、Jyoさんは、現代のフォーミュラーマシンというのはさまざまなアシストシステムがあるため走らせること自体はさして難しいものではないけれど、1967年当時のフォーミュラーマシンは走らせること自体が非常に難しいものなのではないか、ということを推測されていたのですね。さもありなん、という感じがしたんですが、実際のところはどうなんでしょ。

漠然とした問いかけになって恐縮なんですが、たとえば私たちが普段乗ってる乗用車(もちろんミッションの)に乗り慣れた人間なら、普通にコースを周回できるものなのでしょうか。シフトアップはできても、シフトダウンに細心の注意が必要だろうなというあたりは想像できるんですが。あと、ハンドルの重さですね。シフトレバーは乗用車に比べて重そうだなとも思いますし。レースマシン特有の配慮が必要なんだと思いますが、それに加えて、あのころのフォーミュラーマシン特有の、操作上の配慮が必要な点などありましたら教えてください。

で、オマケと言ってはなんですが、murakamiさんに見ていただきたいムービーがあります。
http://gplw.speed-city.com/gplw.aspx
このページの一番上のメニューから
OtherGoodies→Mpeg of 1971-72 F3 Driver playing GPL
と選択。
で、そのページの三つのファイルをダウンロードしてbatファイルで結合するとステキなムービーが見れます。

[241] Re:葉巻型F1の操作の難易度について 
2003/10/29 (水) 14:43:17 murakami

▼ brubeckさん

>自体はさして難しいものではないけれど、1967年当時のフォーミュラーマシンは走らせること自体が非常に難しいものなのでは

普通にコース内をゆっくり走らせるだけならば簡単です。これは現在のマシンでもそうでしょうけどタイムを刻むと言うことになるとそれなりに難しい所も出てきますが。
乗用車と比べるとパワステはないですし、ブレーキサーボもなしシフトはノンシンクロですので操作自体に特有の難しさはあります。そうそうクラッチも遊びはないですので発進が難しいです。
ステアリング・ブレーキなどは間に当時の技術でサーボなどが入ってはダイレクトに路面状況が判断できなくなるために除かれています。当然操作は重いです。
それとすごくクイックなのでストレートを真っ直ぐ走れないかもしれません、たぶんシフトの度にふらつくんじゃないかと思います。
恐らく乗用車しか乗ったことのない人が一番違和感があるのはクラッチとギアではないでしょうか。クラッチは遊びがない上に半クラッチは使えないので唐突につながります。友人が乗ってみたとき、結局発進できなくて押し掛けでスタートさせたことがあります。
それとシフトですね。ノンシンクロですのでシフトアップもシフトダウンも回転が合っていないとチェンジできません。それでもシフトアップの時はアクセルを開けている状態ですので割と楽に回転は合いますが、シフトダウンの時はダブルクラッチで合わせないと絶対に入ってくれません。
昔のレースでもレース後半になって疲れてくると時々シフトミスをしてしまうのはこのためです。そしてシフトミスするとトルクが後輪に伝わらないのでアンダーが出てコースアウトすることになります。
トルクが伝わらないとアンダーが出るのはコーナリング中は常に後輪を滑らせているからでカウンターを当てるまではいかない微妙なドリフト走行をしているからです。デフが非常に強いからこうなるのですが。

F1Cをやってみたのですが、違和感があるのはたぶんアクセルを開けてもアンダーが強すぎるからじゃないかと思っています。アンダーからパワーオーバーに至るまでの時間が長すぎる感じがするんですよ。
でも、セットアップで消せるかもしれないのですが、フォーミュラでデフォルトのセットでああいった挙動はたぶんでないと思います。

[246] Re2:葉巻型F1の操作の難易度について 
2003/10/30 (木) 15:14:56 ALS@会社

▼ murakamiさん

ギヤボックスの件

完全なノンシンクロですか。そりゃつらそう。
メルツェのW196がたしか一途以外シンクロだったという記事を読んだ覚えがあったのでてっきりシンクロになっているものと思っていました。当然ながらノンシンクロの経験はゼロなんですが(親父は知っていますが)あれはダブルクラッチだけで済むのしょうか。それともエンジン回転を合わせる、つまりヒールアンドトウが必要となるでしょうか。もし必要だとすると私はギブアップでしょうね。全然回転が足りないかオーバーレブかでしょう。

シフトミスでアンダーの件
それはカーブのどのあたりでの話でしょうか。
進入前にアウト側によってブレーキング、終了して(あるいは多少ブレーキを残しつつ)切り込んでいくわけですが、この時点でアクセルも多少残しているのでしょうか。
それともクリップあたりでエンジンを回し始める所以降でしょうか。私はカーブに入ったら切り込んでいるときでもわずかにでもトルクをかけているのですが、そういうことなんでしょうか。
(完全に抜いてしまうときもありますけど)このあたりのアクセルワークの詳細な所とか、考え方というのはなかなか解説がないように思いますので具体的に解るのであれば教えていただけると幸いです。(直感的に走るので考えていないと言うことも大いにありそうですが)このあたりが理屈が納得できないと何にも出来ない機械屋の悪い癖ですね。

[247] 葉巻型F1のコーナリングについて 
2003/10/30 (木) 16:05:05 murakami

▼ ALS@会社さん

こんにちは。

>あれはダブルクラッチだけで済むのしょうか。それともエンジン回転を合わせる、つまりヒールアンドトウが必要となるでしょう

ヒールアンドトゥで回転を合わせる必要があります。59Bなどでは足下が狭いのでトウアンドトウになりますが、ノンシンクロ+ドッグミッションですので。その代わり回転が合っていれば吸い込まれるようにシフトできます。小林章太郎さんの表現で「冷えたバターに熱いナイフ」というのがありますが、まさにそんな状態です。レース中はそんな感傷に浸っている暇はありませんがね(笑)。

> シフトミスでアンダーの件
> それはカーブのどのあたりでの話でしょうか。


トルクを掛けたままコーナリングするのでコーナーに入る手前でシフトが終了している必要があるのですが、通常ブレーキングとシフトダウンは同時にしますよね。あの時代のブレーキは強力ですがシフトダウンの方が早く終了しますのでコーナーに切り込むときにはアクセルは残してはいることになります。
このときにシフトダウンを失敗してギアが入っていないとそのまま外へ飛び出します。
基本的にシケインなどの曲率が小さいコーナーではアクセルをほとんど閉じた状態で入り、クリップから開けていくのですが、中速、高速コーナーではアクセルを開けつつ入ります。
シフトダウンするのは適切なギアを選んで最大トルクに近い回転数で駆動輪にトルクを掛けた状態でいわゆるパワーオーバーステアの状態でコーナリングしたいためとコーナー脱出に向かい最大トルクで加速を得たいための2つの理由があります。
コーナーにはいるときはアクセルを残すと言うよりも積極的に開けてはいるという言い方が適切かもしれません。かといってカウンターステアを当てるほどスライドさせてしまうとタイムロスになってしまうのです。わずかに滑らせながらどんどん前に進めると言うとわかりにくいですか?

何故パワーオーバーステア方向でコーナリングするかというとステアリングは切れば切るほど抵抗になるからなんです。ステアリングは真っ直ぐであればあるほどスピードを殺さずに走れるのでクリッピングを過ぎるときには真っ直ぐであって欲しいので理想のコーナリングはその時点で直線を走っているのと同じ姿勢でありたいのですよ。だからコーナリング中もステアリングは真っ直ぐのまま曲がれれば理想です。

[248] 葉巻型F1ステアリング 
2003/10/30 (木) 16:36:23 murakami

▼ brubeckさん

>ハンドルの重さですね。シフトレバーは乗用車に比べて重そうだなとも思いますし。レースマシン特有の配慮が必要なんだと思い

ステアリングギアボックスについてなのですが、普通の乗用車ではロックトゥロックが3回転とか3.5回転ですよね。
フォーミュラは左右それぞれ90度ほどです。だからわずかな操作で進路変更できるのですが、重いしストレートでもわずかな路面のギャップでハンドルを取られて蛇行してしまいます。シフトの際にもちょっと気を取られただけで簡単に蛇行します(笑)。

[250] Re:葉巻型F1ステアリング 
2003/10/31 (金) 08:07:15 brubeck

▼ murakamiさん

コーナーリング時の操作など、非常にイメージを持ちやすくお話しいただきました。ありがとうございます。やはりそれなりに走ろうと思うと、機構的に難しそうだなと思いました。話には聞くんですけどね、ダブルクラッチやヒールアンドトーなどのテクニックは。昔バスの運ちゃんがやってるのを見たとかいう話も聞きますし。クラッチとHシフトを買ってGPLをやるというのは、わたし、あこがれです。

murakamiさんは、こういうテクニックは具体的にどういう場面で習得されたんですか。クルマ遍歴というか、レース遍歴を教えていただけませんでしょうか。最初からヒストリックカーから入ったんですか。ヒストリックカーをやるひとでも、ふつう最初はハコ車から入って、しばらくしてフォーミュラーに転向、という流れあるんだと、例のカーグラTVでどなたかおっしゃってたと思うんですが、murakamiさんもそういう過程があったんでしょうか。

[251] レース遍歴(笑) 
2003/10/31 (金) 11:39:11 murakami

▼ brubeckさん

>昔バスの運ちゃんがやっりるのを見たとかいう話も聞きますし。

今でもバスの運転手がやっているのを見たことがありますよ。高速バスなどでシフトダウンの時やっていました。

> murakamiさんは、こういうテクニックは具体的にどういう場面で習得されたんですか。クルマ遍歴というか、レース遍歴を教えていただけませんでしょうか。

免許取り立ての頃、地方ラリーにランサーで出場したのが初めての公式競技です。まだ初心者マーク(そのころはまだ無かったけど)のころで競技のなんたるかも知らないまま完走はしたけど、ブービー当たりだったと思います。その後何年かはRX7→ランサーターボとラリー出場して、その後ダートトライアルをやるためにB210を購入したんですけど製作途中でサーキットに誘われまして当時の富士スピードウエイ・フレッシュマンにKP61で出場しました。誘った仲間が今では有名になった土屋圭一です。当時、彼はNPクラスで86に乗っていました。
フレッシュマンでは1回だけどん尻当たりを走った後、今度は310サニーでTS1300に出場。富士GCの前座のマイナーツーリングにも出場しました。このころのマシンは走っては壊れを繰り返していたので最高位で10位あたりでしたし予選でマシンが壊れて予選落ちも普通にありました(笑)。
このころに大学を卒業して清水歯科に就職、一緒にレースに出場したりテレビの取材を受けたりと面白い時期でした。ノバエンジニアリングのF3テストにも誘われたこともありましたが資金不足で断念したのもこのころです。一緒にやった仲間には影山兄弟がいます。清水先生のおまけでダンロップとトライデントのスポンサーをもらい、自分で見つけてきたリーチ歯ブラシと共に人からお金をもらいレースをした時期もこの頃でした。
GCシリーズの消滅と同時にマイナーツーリングも消滅し、しばらく1/8エンジンラジコンカーに興味が移り、これのレースを何年か続けていましたがラジコン仲間にヒストリックカーに詳しいのがいて、その彼に誘われて筑波サーキットに行ったのが93年あたりです。
そこで見た26Rが欲しくなりメンテナンス工場へ行ってその場で26Rの製作を依頼。ところが注文が多すぎてなかなか完成しないうちにアメリカで59Bが発掘されたけど?というオファーが来て直感的に購入、そのままアメリカでレストアをしてもらい日本に持ってきて現在に至るという感じです。
Lotus59bを購入して実際に走り始めたのが97年最終戦でした。その後99年にシリーズチャンピオンを獲り、2000年には鈴鹿サーキットでネオヒストリックシリーズに2戦出場してFIAの国際ライセンスに昇格してから2001年よりヨーロッパ転戦を開始しました。
フォーミュラをやるようになってからの戦歴でようやく見られるようになったのですが、やっと最近になってレースというのは予想以上にお金がかかり、お金をつぎ込まないとレースをするどころか予選さえままならないというのが身にしみて分かりました(笑)。

>murakamiさんは、こういうテクニックは具体的にどういう場面で習得されたんですか

一番最初はベッドの上でコーラなどのペットボトルをシフトギア代わりに見立てて、ペダルは空気ペダル(笑)でタイミングの練習から始めました。ハタから見たらかなり笑えたでしょうね。家の車がAT車ばかりだったので仮想クラッチを付けて勝手にヒールアンドトゥをやっていたりもしました(笑)。前述のラリーカー達は全部友人の車です(笑)。
だから実際の練習は友人の車で実戦でやったことになりますね(^^;)。僕が初めてマニュアルの車を買ったのは大学卒業間近のカリーナGTという車でした。エンジンをチューンしたりしてかなりいじりましたが、今でも友人宅に置いてあり時々エンジンを掛けています。

[252] Re:レース遍歴(笑) 
2003/10/31 (金) 17:49:46 brubeck

▼ murakamiさん

> 誘った仲間が今では有名になった土屋圭一です。当時、彼はNPクラスで86に乗っていました。

そうでしたか。ちなみに
http://auto.joins.com/upboard/pds/pdst/BestMotoring_350Z_TsukubaBattle.asf
↑このムービーの最後に86で本気出してる土屋氏が収録されてます。おもしろいムービーですよ(なんでこんなムービーが公開されちゃってるのか(笑)。ちょっとヤバイ気がするので、みなさんお早めに)

お話、おもしろいっす。ヒストリックカー前にいったんラジコンカー戦歴が入るんですね(笑)。そうするとヒストリックカーでは実質的に最初からフォーミュラーだったということになりますか。サイトを拝見すると26Rは「いまだ完成せず」とありますね。このページ作製時からしばらく時間が経ってると思うのですが、やはりまだ走らせられる状態にはないのでしょか?

[253] Re2:レース遍歴(笑) 
2003/10/31 (金) 18:52:41 murakami

▼ brubeckさん

>↑このムービーの最後に86で本気出してる土屋氏が収録されてます。

フレッシュマン時代には旧碓氷峠を夜中に彼らと走り回って練習しました(笑)。彼はいつも61で堅いタイヤを使っていつも滑らせて楽しんでいましたね〜(^^;)。

> お話、おもしろいっす。ヒストリックカー前にいったんラジコンカー戦歴が入るんですね(笑)。そうするとヒストリックカーでは実質的に最初からフォーミュラーだったということになりますか。

その通りです。勝てる車に乗ったのも初めてでクラス(車種)は違いますけど勝つというのはこういう事かと感心した覚えがあります。これで勝てる車と勝てない車の違いがよく分かるようになりました。

>サイトを拝見すると26Rは「いまだ完成せず」とありますね。

まだそのままです(笑)。
来年のスパ6時間耐久に出場するために大至急製作してもらうように頼んでいます(^^;)。

[254] Re3:レース遍歴(笑) 
2003/11/1 (土) 11:44:26 brubeck

▼ murakamiさん

> これで勝てる車と勝てない車の違いがよく分かるようになりました。

これは具体的に言うと、何なのでしょ?
お金のかけ方?(笑)

[255] Re4:レース遍歴(笑) 
2003/11/2 (日) 18:00:01 murakami

▼ brubeckさん

> これは具体的に言うと、何なのでしょ?
> お金のかけ方?(笑)


まっ平たく言えばその通りです(笑)。お金がかかっている車は見た目も綺麗だしパーツもすごく綺麗です。さらに乗ってみればびしっとしているので安心感が違います。

[261] Re3:レース遍歴(笑) 
2003/11/5 (水) 19:52:57 brubeck

▼ murakamiさん
> >↑このムービーの最後に86で本気出してる土屋氏が収録されてます。
>
> フレッシュマン時代には旧碓氷峠を夜中に彼らと走り回って練習しました(笑)。彼はいつも61で堅いタイヤを使っていつも滑らせて楽しんでいましたね〜(^^;)。


本日のニュースで知りました。
土屋圭市さん、今期で引退するようですね。
http://www.crash.ne.jp/jgtc/2003_news/11/jgtc_2003_1105a.html
そうでしたか。もう47才なんですね。

先日の地上波のJGTCの番組で、土屋さんがこんなことを言ってました。
「僕がなんでドリフトをはじめたかというと、レースでスピンしたりコースアウトしたりクラッシュしたり、そういったものを自分で経験して、他のドライバーも見てきて、まずコース上でクルマがどういうふうに動いても、アンダーでもオーバーでも、それをコントロールできたら、またトップ争いに加われるっていうふうに僕は考えるようになって、それからですね、ドリフトをガンガン、雨の日とか雪の日に練習をして。だからレース中は絶対スピンをしない、ふらついても必ずコース上だけでなんとか立て直すっていう、そういうことをやってきて、いまに役に立っているかなっという・・・」

なるほど、そでしたか。

INCM/CMT
Cyclamen v3.79