○ 露悪的GPL再生日誌<1> 09/27/2002
GPLの走行練習を再開しました。二週間ほど前からです。プロジェクトの作業から解放されたとはいえ個人的な忙しさのために、せっかく買ったFREX-GPペダルさえ組み立てることもおぼつかずにいたところ、専用パソコンデスクをもらい下げることが出来たりして物理的には障害がなくなったので、状況にせっつかれるかたちで走行再開。

せっかくなので、自分の不甲斐ない走りをできるだけ露悪的に書き留めておくことにしました。周知の事実ですが、私は非常に遅い。セッティングの知識も根気もありません。プロジェクトの差配を任される前も、じつは半年ほどヨロヨロとやり込みつつあったという軟弱状態でしたので、初心者同然なのです。わたくし、走行再開について内輪で公表しましたところ、U氏から「YGでGPLを"語る"男が遅いのはまずいな、と思っていた」旨の苦言をいただきました。もっともなことです(苦笑)。

現状をかいつまんで書いておきますと、ともかく出来る限り毎日走るようにしております。ただし1セットのみ。予選と本戦とを組み合わせて1セットということです。これが時間をさける限界。しかもある程度走り込んでいるのは、キャラミとモンツァのみ。この2コースだけは、一年前のラップタイムを若干上回ることが出来ました。(この2コースについては、おいおい、いかにしてタイムを回復できたかについて書いてゆこうと思います)

それ以外のコースは流して走った程度。どれぐらい時間がかかるか分かりませんが、これらのコースについても攻略してゆこうと思っています。めざすは、打倒U氏(うそです)。

当面の目標は、ともかく各コース、安定して走ることができることです。したがってセッティングはいっさいいじらないようにしようと思っています。どれぐらいの期間そうし続けるかは分かりません。現在、モンツァが1分31秒台の後半でして、まだ安定して走ることができているとは言えない状況です。もっとライン取り、シフト選択など追求する余地があると感じています。これが30秒をコンスタントに切れるようになった時にすこしずつセッティングを詰めてゆこう思っています。そしてそのときに、セッティングについての知識も同時に学びつつ、ここに書いてゆけたらいいのではないかと思っています。
○ 露悪的GPL再生日誌<2> 09/27/2002
キャラミについてです。
かつて自称キャラミマイスターな私なのでしたが、初心者が越えるべきハードルと言われるGPL Rank3000位台のタイム1分23秒56をクリアできておりませんでした。死にものぐるいで24秒台前半。もちろんデフォルトセッティングでこの通りなのですが、本戦で一番手・二番手にはラップタイム数秒差で及ばず、一位を獲得できても、わたしが一周目に後ろからブレーキングでおかまを掘ってタナボタでいただいたものだったわけです(でも一位は一位だ)。

現在は23秒台はクリアできております。が、このような状態に戻すためにやや時間がかかりました。GPL再開直後は26秒台しかでませんでしたからね。ブランクのあいだに何を失い、そして何を取り戻していったのか。

再開直後はなんと言ってもハンドリングの精度が低かった。これは自分でも当初から意識できました。アクセルを踏み、後輪にトラクションをかけると低速ギアではお尻を振り始める瞬間がありますが、そのとき修正舵を当ててマシンの方向をコントロールしようとするわけです。ところが修正舵が遅い上にたいてい修正幅が大きい。タイミングよく修正できても修正しすぎのため、マシンがよろよろ。スピンです。アクセルを戻すタイミングもダメなのね。

ともかく全体的に身体の反応が鈍く、スピードに追いついてゆかない。スピードに追いついてゆかないのは、何よりマシンの挙動を一切身体が忘れてしまっていたからなんですね。これには呆然としましたよ。走るたびにスピン。コースは完全に頭に入っているわけです。かつてやり込みましたからね。でも身体がついてゆかない。一年というブランクの大きさを実感しました。

Jyoさんは、ともかく走行中はドライビングに関わる外的情報を常に広角で収集すべきだという意味のことを仰っていました。その通りなのだと思います。ただ状況を認識して判断して操作していたのでは、たぶん遅いんですね。現在の状況認識というのは、次の次の瞬間のマシンの挙動を知るために必要なのであって、つまり将来のマシンの挙動を予測して、その予測に合うように判断し手を下す。したがって現在の状況認識→現在の挙動判断→マシンの次の瞬間の位置等→コントロールなどという順番でやっていては遅い。たぶん、状況認識のあとに挙動予測が来て、その挙動予測と操作とが一体化した情報処理を人間は脳の中でやっちゃうんでしょうね。というより、それができないと高速で走るマシンを上手にコントロールするなんてそもそもできっこないのですよ、きっと。そういう情報処理の計算アルゴリズムと計算速度を走行練習によって帰納的に獲得してゆく。これがきっとキモなんだと私は思ったりしております。

ともかくブランク直後は、この情報処理の枠組みが一切抜け落ちてるわけです。走行練習を通じてそれを少しずつ回復してゆく。ブレーキングのタイミング、強さ、アクセルオンのタイミング・強さ、舵角の大小、これら様々な要素をどう組み合わせてマシンをコントロールしてゆくべきかの整理されたアルゴリズムを再び作ってゆく。・・・だからこそ、条件をあまり変えないで練習することがある程度大事になって行くのではないか、ということにもつながってゆきます。方法論としてまずはデフォルトセッティングを一切いじらずに練習することは、そういう意味ではけっこう意味のあることなのではないか、などと考えています。いかがでしょ。
○ 露悪的GPL再生日誌<3> 09/29/2002
昨日今日と、また走れずにいます。

モンツァについて。
このコースは、高速サーキットであることから、全体的に他のコースに比べて、こなすべき課題が少ないですね。そのぶん、初心者でもそこそこ楽しくレースができるかも知れないと思いつつ、いやいやコンマ数秒を削る段階になると奥が深いことを思い知ります。私はそう言いつつそこまでたどり着いてませんけど。

このコースの特徴的な楽しさは、ロングストレートの最高速からブレーキをかけて抜けてゆくコーナーが二つあること。超高速の第一コーナーと、パラボリカ。この二つのコーナーのおかげで私は、すこしだけドライビングの基礎的な概念であるアンダーステア、オーバーステアが体感的に理解できたような気がします。またとくにパラボリカでは制動距離とタイヤロックとの関係やアクセル開度とオーバーステア→スピンの関係についても、学べた気がしています。

アンダーステア、オーバーステアを知識として理解する際に、知っておくと良い「補助線」となる概念があります。それが「スリップアングル」というもの。要は、アンダーステア・オーバーステアというのはコーナーリング時の前輪のスリップアングルと後輪のスリップアングルとの相対関係で決まるのだと言って良いと思います。

タイヤというのは横からの力がかからなければ、まっすぐに転がってゆきます。しかし転がりながら、何らかの原因で横向きの力がかかったり、あるいは転がり方向からずれた角度で力が加わったりすると、タイヤの向きはそのままでも、タイヤが進む方向がずれてゆきます。そのずれて進む方向と、タイヤの元の進む方向(タイヤの中心線ですね)とがなす角度のことを「スリップアングル」と呼ぶのだそうです。

スリップアングルがグリップ力の限界を越えると、タイヤはつるんとスライドしてゆきます。後輪が滑ればスピン、前輪が滑ればコースアウトですね。とうぜんドライバーはこの限界点を常に探りながらマシンをコントロールすることになるわけです。

スリップアングルをタイヤに強いる原因というのはいくつかあります。コーナーリング時であれば、遠心力ですね。後輪駆動車の加速時なら、舵角のついた前輪に前方向への加速力が加わり、スリップアングルを増大させる力になります。直進時の横からの力と言えば、横風です。また前後方向にグリップ力をとられる加減速時には横方向の力にそのぶん弱くなりますから、それだけスリップアングルが大きくなる。旋回時に制動すると、横方向へのグリップ力が減る上に、遠心力に加えて制動による慣性力がタイヤに加わりますから、横方向への力がそれだけ増幅する。減速操作を終えてから旋回操作に移るべき理由がここにあるわけですね。

コーナーリング時にスリップアングルを増大させる力が加わると、タイヤはスリップしてゆきます。前輪と後輪のスリップアングルが同じであれば、ドライバーがステアリングを切った方向へ思い通りに曲がってゆくことになります。いわゆるニュートラルステアですね。前輪のスリップアングルが後輪のスリップアングルより小さければ、より後輪のほうがスリップしやすいわけですから、オーバーステアの傾向になる。逆に前輪のスリップアングルのほうが相対的に大きければ、アンダーを示す。これが基本的な機序です。

このあたりのことが一番体感的によく分かったのが、モンツァの超高速第一コーナーです。メインストレートで6速でぎりぎりまで引っ張ってブレーキングですが、モンツァを走りはじめた当初は、減速後に5速に落としてコーナーを抜けてゆきました。しかし脱出時の加速があまり思わしくないのと、それ以上にコーナーリング時にアウトにふくらんじゃうんですね。アクセルを踏まずに慣性で曲がっていってアウトにふくらむ。アクセルを踏んでもアウトにふくらむ。で、しばらく走ってみて、4速まで落として抜けてみることにしました。そしたら当然ですが脱出時の加速が改善されました。しかしそれ以上にコーナーリング時のアンダーが消えたんですね。これは発見でした。

市販車はアンダーにセットされているとよく言われますね。コーナーリング時に、舵角を継ぎ足してゆくほうが、戻すよりも簡単だからだと。モンツァにおけるGPLのデフォルトセッティングも、第一コーナーの挙動からするとアンダーにセッティングされているようです。ただ市販車とは理由が違っていると思う。高速で走ることを前提としている以上、あたりまえのことですが。後輪駆動車でアクセルを踏んで駆動をかけると、グリップを前後方向に持って行かれます。したがって横方向の力に弱くなる。後輪のスリップアングルが増大します。第一コーナーは緩やかで長い。クリッピングポイントなんて関係ないし、コーナーリング中も加速をかけてゆくことができます(これはスタイルの問題かも知れませんけど)。そうすると弱アンダーのセッティングと、加速時の後輪のスリップアングルが相殺されて、加速をかけながらニュートラルステアかあるいは弱オーバーステアにすることができる(加速によって前輪にかかる力で発生する前輪のスリップアングルより、駆動力によって後輪に発生するスリップアングルのほうが強いから、そうなるんでしょうね)。これによってマシンのコントロール性が非常に良くなります。おかげで、脱出時の態勢を上手に作ることが出来る。加速もぐいぐいかけることができる。あとは内輪とコーナー内側を合わせて操舵してゆくだけ。したがっていまでは、第一コーナーは5速ではなく4速で抜けることに落ち着いています(ロータス49です、念のため)。

そういえば、以前U氏がコーナーリング時にほんのすこしアクセルを開けておくと良い、みたいなことをどの場面だったか忘れましたが、仰ってました。これは弱アンダーのマシンを、後輪に駆動力を当てておくことで、ニュートラルステアにでき、マシンコントロールをしやすくすると言うことにつながっていたからなのかなと、いまになって思い返すことができます。またこのあたりのことの体感的な理解は、超高速コーナーだけでなく、低速コーナーでもコーナー脱出時に応用の利く基礎的な感覚なのだとも思います。

※↑ここの部分、当のumrkさん(伏せ字やめ)からForumにて指摘を受けました。「アクセルを少し開けながら」というのは、旋回時のことではなく、ルーアンのヘアピン手前のブレーキング時のことについて、だったそうです。言われて、たしかにそんな話だったなあ、とウスラ思い出しました。いい加減ですね、わたし(笑)。ごめんなさい。でも、このテクニックも興味ありますね。どういう機序でそうなるんでしょ。自転車に乗ってて、ブレーキをかけながらペダルを踏むとなんとなく車体が安定する感じがするな、という経験はあります。これと共通してるんだろか。課題です。

制動の問題については、また今度。
(おかしなことを言ってるなー、と思われたら、Forumのほうへ書き込んでくださると助かります。わたし偉そうなこと言ってますけど、ほんとうにイッパイイッパイの知識で書いているのです。見えてないことがたくさんあります。わたし自身、間違いを踏み台にして次のフェイズへ行けたらと願っているところ。よろしくお願いします)
○ 露悪的GPL再生日誌<4> 09/30/2002
モンツァ、予選一本。4周目で1分31秒91。今日はここまで。早いラップは、操作が滑らか。リプレイを見ても、穏当な走りしかしていないのだが、タイムは伸びる。きっとそういうことなのだと納得。レズモの二番目がうまくつかめない。もう少しつっこめるはずだと思う。なんだか30秒台を切るまでは、モンツァから離れられそうになくなってきた。
           ×                            ×
「コーナーリングは定常旋回円を心がけるべし」と言われるのを時々聞きますけど、あれは間違っていますね。たしかに限界ギリギリのスピードでひとつのコーナーを抜けるのには円弧を描くように曲がってゆくのが一番速い。しかしコーナーを抜けるのが速ければ、タイムは伸びるかというと、そう簡単ではない。そのあたりは、ポール・フレールさんの「新ハイスピード・ドライビング」(二玄社)に詳しいので書きません。

ただし、理論としては間違っているかもしれないが、じつは初心者用の実践としてはこの言葉は正しいなと思う次第。本当なら小曲率の円から大曲率の円へと曲率を変えながら抜けてゆくのが理想なのだが(自動車教習で習ったクロソイド曲線だよね)、そんなものコースに出たら描けといわれて描けるものじゃないです。クリッピングポイントをコーナー先端よりすこし向こう側にずらすという意識なら少しは可能かもしれないけれど。だから初心者は定常旋回円でいいのかもしれない。これを描く意識をまずは植え付け、そしてその先、コンマ何秒レベルでラップタイムを削る段階になって、ブレーキのタイミングと合わせて、ギリギリのクロソイド曲線を描くようにこころがける。

何かものを学ぶ時というのは、複雑なものをいきなりマルゴト飲み込んで身につけることなど普通はできないものです。単純な枠組みから身につけ、それをマスターしてはじめて次のステップに行く。単純なことから複雑なことへ。学ぶには手順があるんですね。だから「定常旋回円」という単純な実践的課題というのは、つぎのステップに進むために経なければならない過程なのです。きっと。

そう言う意味ではモンツァというのは、初心者にはいい課題なのかもしれない。(ただしここを上手に走れたからといって、ハイスピード・ドライビングが身に付いたと思うべきではない、とは思います)

※なおクロソイド曲線が高速道路に使われる場合は、曲率大から曲率小への変化が用いられます。定速走行の自動車のハンドルを一定の角度で切り続けた時に自動車が描く曲線のことを本来クロソイド曲線と言うのだそうで、高速道路を快適に走るため、クロソイド曲線のカーブが設けられるのだとか。でも、たしか高速の入り口から合流にかけての曲線は、曲率小から大へのクロソイド曲線になってると思ったな。あれのことはクロソイド曲線とは呼ばないのだろうか。
○ 露悪的GPL再生日誌<5> 10/03/2002
仮説。
umrkさんが私の記述の間違いを指摘してくださって(ありがとうございました>umrkさん)、「アクセルを少し開けながらブレーキを踏むと姿勢が安定する」ということについて、ちょっと考えています。(訂正文は、<3>の記述の中に挿入しました)これは、ルーアンのヘアピン直前の姿勢制御のためのテクニックなのです。なんでそうなるのか。仮説を考えてみました。

ブレーキだけを踏んでいる状態では制動力がつきすぎる。とくに後輪はエンジンブレーキとフットブレーキとが合した制動力がかかってしまい、前輪と後輪との制動力に差が生じる。そのため後輪がより強く前後方向へグリップを使うため、横方向への踏ん張りが利かなくなってしまい車体が不安定になる。そこで、アクセルを少し踏むことでエンジンブレーキの効果を消し、フットブレーキの制動力のみで滑らかに制動をかけることで、後輪が前後方向へ割くグリップを少なくすることができる。これで車体が安定するのだ。

どうでしょ。ブレーキング時の荷重移動による前輪のグリップ増大と、このことがどう関係してくるかについて、もうちょっと考える余地があるのかな、という気もしますけど。エンジンブレーキの効果を消すことで、車体を安定させる。とくにルーアンのヘアピン手前って、ブレーキをかけながら微妙にマシンを旋回させる必要があるため、こういうテクニックが有効なのかな。これって、結局、左足ブレーキを使う場面と共通してるのかな。いろいろ考えます。

※追記
ブレーキをかけた時、荷重移動によって前輪のグリップが増大したら、ますます前輪と後輪とのあいだでグリップ力に差が生じますね。で、その状態でフットブレーキとエンジンブレーキの効果が合わされば、ますますお尻を振りやすくなる。そう考えることができるかな。

高速時にフルブレーキをかけると車体が不安定になるのは、前輪に荷重移動があってグリップが増大しても、制動に伴う慣性力がグリップを上回るからですよね。だから、この場合の不安定を解消するために、アクセルを少し開いてみても意味がない。ブレーキングの力をタイヤロックさせないように調整するしかない・・・そういうことかな。

わたしは、こうやっていちいち色々考えながら、前に進んでゆくというタチなもので。こういうことが忠実に分かったとしても、だからといって決してドライビング中にそれが意識できて、より速く走れるようになる、というわけでもないのですが。性分なのです。というわけで、やはり今後もこういう感じかな。記述内容に異議ありとか、こう考えるともうちょっと上手に説明が付くとか、ありましたら、ほんとうにご指摘くださると助かります。

今日は、ここまで。昨日も今日もまた走れず。あーん。腐ってゆく。
○ 露悪的GPL再生日誌<6> 10/03/2002
怒濤のモンツァ予選2.5回戦。0.5回戦分は、エンジンブローにより途中棄権。

今日はタイムを削る日ではなく、いくつかの新しい試みをしてみるつもりでコースに出てみました。したがって最速ラップは32秒02。いいのです。これで。

第一コーナー出てからレズモまで、いままでは比較的低回転でシフトアップして5速でブレーキングしていたところ、高回転まで引っ張り、4速でレズモにはいるように改変。くわえてアスカリをいままでは恐くて4速時に一度アクセルを戻していた操作をやめ、我慢して踏み続けコーナー途中で5速にシフトアップ。そしてもうひとつ。ソルベルグのように口を開けてドライブしたときのラップへの影響についても調査。

高回転まで引っ張ってシフトアップし続けたせいか、一回戦目でエンジンブローと相成ったわけです。そして新たに5速のままレズモに突っ込むようにしたため、制動距離がつかめずこのあたりヨレヨレ。しかし慣れない状態で32秒ほぼフラットというのは悪くないと思う。これはきっと数日後に成果が出ると期待。

なお、ソルベルグ・スタイルの影響については、明確に判断できず。もうすこしデータを収集する必要。これについては、S氏にも協力を要請したいところ。以上。

※モンツァの攻めコツについて詳細に書いたサイトを発見。しかし私は読まない。堅く堅く読みません。はい。カンニングはよろしくない。正解はひとつではない。そして正解は私が見つけるのだ。はい。ですから、読みません。と誓いました。
○ 露悪的GPL再生日誌<7> 10/05/2002
私、嘘をつきました。
モンツァ、1分30秒を切るまではセッティングをいじらない・・・

いじりました。昨日微妙にですが。しかし劇的でした。Forumにてshutaroさんの示唆からumrkさんの断言にいたり、挑発と誘惑に身をゆだねた末の犯行。

いじったのは燃料搭載量なのです。11Lap走れるだけの燃料に減らしたわけです。ほぼ100kgの車重を削ることになりました。そしたらもう走り出した瞬間に感触が違うのが分かりました。なにもかもレスポンスがクイックなのです。フォースも軽くなってました。なんと言ってもタコメータの針がグイグイ昇ってゆく。正面のストレートで6速に入れる場所が明らかに手前になっています。制動距離も短い。カーブ脱出で姿勢を乱しても比較的踏ん張りが利く(車重が軽くなったので慣性力が小さくなったからと、軽くなってグリップが弱くなった分限界付近のスライドが緩やかになったからなのかな)。もう、ともかく違う車に乗ってるとしか思えません。

燃料以外は一切手を付けていません。しかしこの変わり様は後戻りできない快感です。まずいです。こんなはずじゃなかったのに。誰か私を叱って。

肝心のタイムですが、平均して1.5〜2秒ぐらいは、違うと思う。予選2回戦だけでしたので、もう少しやってこの条件に慣れた走りがつかめれば、もう1秒ぐらいは軽く削れる感じがします。わりと安々と、30秒は切れそうな予感。

しかし、これでいいのか・・・という気分はある。燃料満タンで30秒を切りたかった。でもどんな条件であれ、はやいとこ30秒は切ってみたい。ジレンマです。乙女心です。←ちょっと今日はおかしいな。

で、一夜明けて、さきほどまで合わせて予選5回戦分ぐらいでしょうか。ちょっとおごりましたよ。だいたい3,4周目にベストが出るわけですけど、4回戦目に1分30秒11。もちろん過去最速です。燃料搭載量を削っただけで、つまりは2秒弱タイムアップしたわけですね。恐るべし。冷静に考えれば当たり前のことなのですが・・・。

今日は分析も何もあったもんじゃないですね。
○ 露悪的GPL再生日誌<8> 10/07/2002
某所にてE氏より、なんでセッティングをいじらないのか、との質問を受けました。それに対して、このように答えました。

「自分のドライビングに自信がないからなのです。実走してみてタイムが悪い場合、いろいろいじってやってると、自分のテクニックが問題なのか、セッティングが問題なのか、判断が付かなくなっちゃうでしょ?デフォルトセッティングなら、デフォルトである限り、昨日の自分と今日の自分の違いを考えることができる。

あるていどちゃんとタイムが安定して来たら、セッティングを出そうと思っています。ひとつひとつ。コースのどのポイントを改善するのが、タイムアップに最も効果が上がるのかを考えることによって、それをセッティングに反映させたい。そのためには、各ポイントごとに何速に入れてるか、アクセル開度はどうか、舵角はどのくらいか、クリッピングポイントをどこに置くか、などが安定して身体に刷り込まれるまで走り込むつもりです。デフォルトの同一条件下で。で、それを基準にしてセッティングの調整をしてゆくわけです。そうすれば、セッティングをいじったことが、タイムにどう反映されるのかが、けっこう明確になるでしょ。

と、そういうわけです。計画としては。こうやってひとつひとつ分析してゆきたいのです。で、その、ああでもない、こうでもない、が、ネタになって、ウハウハ。という企みです。むはは。」

といいつつ、以下の文章も書き加え。

「と、かっこいいことを言いましたが、正直に言うと、何をどういじれば、車がどうなるのかが、まだよく分かっていない、っちゅうことが本当は一番大きい。わはは。」
○ 露悪的GPL再生日誌<9> 10/07/2002
パフェリアの三面鏡 vs. GPL Glance(これも某所へ書いた文章の使い回し)

といっても、GPLはまだ三面鏡に対応していないわけで、そういう意味では闘いそのものが成立しないのですけど、未経験状態で観念的に考察してみます。

GPL Glanceは、ハンドルの舵角と横Gに追随するのだそうですね。Gを使うというのはいい発想ですね。CARTよりもよさげ。直進中に修正舵を当てる時は、あまり画面が動かない方がいいと思うので。

わたしね、三面鏡のメリットって、たんに「横が見える」というだけではないような気がしているの。というのは、人間はふだん視野の中心部分を意識して物を認知しますけど(中心凝視と仮に呼びます)、じつは視野の中心部分での認知にはいくつか苦手なことがあります。ひとつは光に対する感度が低いこと。星空を見ると分かりますけど、視野の端にある時は見えるるのに、凝視すると消えてしまうという経験がありますね。

もうひとつ苦手なのが、動いている物の動きを予測すると言うことが中心凝視にはできにくいこと。捕らえて放さないという動的追随はするけれど、動きを先回りして予測するということが中心凝視には難しいのです。それにたいして分散視は物の動的予測が得意です。前から来る人や自転車と、同じ方向に進んでぶつかりそうになることがありますけど、あれは中心凝視の苦手な部分が出ちゃってるのね。ぶつかりそうになった時、視線をふっとはずすと、ぶつかるのを避けることができます。これは、視線の向いている方に人間は進む傾向があるということもあるけれど、視線をはずすことによって分散視になり、動的予測が効いてくるからだと私は考えています。

話を戻します。
つまり三面鏡により、視野が拡大するとこの分散視が可能になり、動的予測がかなりしやすくなるんだと思う。たんに見えることの喜びだけじゃなくて、人間の認知力をフルに活用してドライブできるため、臨場感が増し、タイムも飛躍するんじゃないかと私は考えています。Gを肉感することができるデバイスはちょっと原理的に無理がありそうなので、この視野拡大がつぎの流れだろうと、以上のような考察から思った次第。

今日は、いまのところ走れず。ガンマ・コレクタがなぜかGPLには反映しなくなってしまい暗闇のなかで走ることを強いられてしまったため。これを解決してからじゃないと・・・。
○ 露悪的GPL再生日誌<10> 10/08/2002
予選ラップタイム更新。1分30秒08。2回戦目の5周目ぐらいだったかな。そのまま本戦になだれ込む。しかしエンジンのトルク曲線がどうも身体にまだ入っていないようで、いつものようにスタートで左右に振られる。で第一コーナー入り口で4番手。そして三周目。速度の遅いフェラーリを第一コーナーでインからさして、フェラーリが外に逃げる隙間を脱出しようとしたところ、タイヤ同士が接触して奴はお手玉状態。もちろん私もスピン。戦意喪失で離脱。まあ、本戦になだれ込む気分になれただけでも今日は収穫としよう(ニヒル)。

制動距離について悩んでいます。

Aパターン
第一コーナーを3速で引っ張りロッジア手前で4速。そのまま第一レズモまで引っ張ってブレーキング。

Bパターン
第一コーナーを3速で脱出し、脱出直後に4速。ロッジア過ぎに5速。そしてブレーキング。

第一コーナー内での加速タイミングによって、両者を使い分けています。ただ以下は同じ条件での話。感覚的なレベルでしか言えないのですけど、Aパターンのほうが長い制動距離(つまりは早めのブレーキング)が必要な気がしています。これはAパターンのほうが速度が伸びているからなのか、あるいは他に理由があるのか。エンジンブレーキという点を考えると、4速進入のAパターンのほうがブレーキ操作のタイミングは後ろにあっていいように思えるのだが、逆になってるので、これはどういうことなんだろう、と考えている訳なのです。速度が速いからと考えるのが穏当ではあるのですね。ただ、Bパターンのほうが感覚的には速い気がしている。だから混乱しています。

どうなんだろ。わかりませんね。リプレイ・アナライザを使って、今度分析してみます。

もういっこ。AIのロータスと予選でバトルしたのですけど、彼、第二レズモの脱出が私よりうんとこさ遅い。ところが他の場所で追いついてくるのですよ。セッティングの違いかな。いまちょうどAIのクラークさんと同タイムぐらいなので、そういう意味ではちょっと楽しいところ。でも今日も30秒は切れなかった。あと100分の8秒。
○ 露悪的GPL再生日誌<11> 疑惑(笑) 10/09/2002
こっそり、直しました。しかし何で5段変速を6段だと思いこんでいたんだろ。シフト・ゲートだって5段目部分は右に半端に出てるのだから分かるだろうに。あほだ。ま、いいや。

しかし大変です。これで疑惑が浮かび上がりました。
「この男、ほんとにちゃんと走ってんのか?全部フィクションなんじゃないのか?」
あわわわわ。
たしかに妄想と煩悩のカタマリのような男ではありますが、言うほどに想像力は豊かじゃありませんことよ。と、口で言っても仕方がないので、数日中にベリーナイスなリプレイをここにアップしようじゃありませんか。そろそろ30秒も切れそうだし、よしそんなら30秒切った奴を捕獲して、ご笑覧いただこうじゃありませんか。売られたケンカは買うよ、俺は(まだ誰も売ってないけど)。

あああ。
タンカ切っちゃった。どうしよう。
・・・しばし待て。
○ 露悪的GPL再生日誌<12> 10/16/2002
あまり「ベリーナイス」ではありませんけど、100分の2秒だけ更新したので、恥ずかしながらアップしておきます。露悪的です(でもいいラップしか見せない)
↓こちらからどうぞ
http://briefcase.yahoo.co.jp/bru2001beck

2周分収録してあります。4周目が30秒14、5周目が30秒06。だったと思うな。この両ラップで気を付けたことは、コーナーのさしかかり、すでにブレーキングを終えた時点で、コーナー出口よりさらに遠くを見ること。不思議なもので、このように気を付けると私の場合、立ち上がりでのハンドルコントロール(おもに戻す操作ですけど)が非常に上手くゆくのです。必然的に限界ギリギリで加速できる。クリッピングポイントなんか見ません。ともかく遠くを見る努力をする。

なんとなく遠くの景色が、ハンドルを戻す操作の基準になり得ているような気がしています。これは以前Jyoさんと「リアル」のなかでやりとりをしたときにも、私、述べています。私だけでしょうか。

本当は数日内に30秒を切りたかったんですけど、あいだにブランクが三日ほど入っちゃいまして、感覚を取り戻すのにやや時間がかかりました。鍛錬は継続が肝要なり。そゆことで、ひとつ。

※リプレイファイルのなかで、名前がyoshiya ikeshibaになっていますが、これは私のペンネームです。本名じゃあーりません。
○ 露悪的GPL再生日誌<13> 10/16/2002
リプレイアナライザを使った両ラップの比較で分かったのは、すでにメインストレートから第一コーナーのところまでで差がついてしまっていること。それを裏ストレートまで差を維持するものの最終パラボリカのブレーキングで遅ラップに追いつかれてしまっていること。しかしパラボリカ脱出時の加速がうまくいって再び早ラップが差を作ること。それ以外はほぼ同じデータでした。

したがってこのレベルでの比較で言えるのはパラボリカ飛び込みのブレーキングを詰めてみること。そして表ストレートでフィニッシュラインまえに加速を付けていること。これはパラボリカの脱出の仕方とかなり関わりがある感じがしています。したがってパラボリカ脱出が一番のポイントになるのかな。

いま言えることはこの程度ですね。ちょっと、もっと遅いラップとの比較もしてみたくなりました。
○ 露悪的GPL再生日誌<14> 10/20/2002
デフォルトセッティング・モンツァ疾走総括。
Forumのほうのやりとりで、流れはご存知だと思います。わたしもリプレイをアップした段階でひとつの区切りだなと思っておりましたので、これからはセッティングを少しずついじってみながらタイムアップを図ってゆきたいと思います。自己鍛錬は独善ではいけません。師匠の言うことは素直に従うべきです。なんてったってU師匠は速いのです。

さて、モンツァをデフォルトセッティングで走り30秒を切ることを目標にしてきたわけですが、このことが「無駄」とは言えない成果をじつは感じています。それは、試みに他のコースを走ってみてすぐに分かりました。ブレーキングのタイミング、コーナーワーク、限界のアクセル、視野をどこに置くべきか、などなど、モンツァで走り込んで得た感覚がけっこう他のコースでも生かせるのです。モンツァは単純なコースですね。でもその単純さのなかで学んだことが基礎体力となってくれたのでしょうか。どのコースを走っても丸裸の初心者状態の時には絶対にできなかったコーナーワークを安々とやっている自分に気づくことができました。これは大きい。マシンが不安定になった時の察知や回避などもずいぶん上手くなりました。ただこれは「モンツァを走ったから」というより「限界を意識して走り込んだ」ということが大きいのでしょうけど。

単純なことから複雑なことへ。
モンツァデフォルト修行はそういう意味で結果的に初心者向けのひとつの「解」であることは分かりました(もちろん「解」はひとつではありませんけど)。

さて、これからはセッティングいじりに入ってゆきましょう。他の一般的なレースゲームに比べればGPLの項目の多さは、のけぞってしまうほど。さてどこから始めたらいいんだろう。というわけで資料あさりにしばらくは掛かってゆきたいと思います。もちろん順次ご報告させていただきます。ねらい目は、YGのナスカ用に翻訳された「N4 Chassis Setup Guide」と「Driving and Setup Foolishness」ですかね。この二つを基本に読み込んで行きながら、一項目ずつ回答を得てゆこうと思っています。以後もモンツァを中心に走ってゆこうと思いますけど、モンツァは左カーブがほとんど無いという特殊なコースですので、ここばかり視野に入れているとセッティング知識も限定されかねない。ですからわりとこれからは他のコースのことも考えてゆきたいと思います。

夢のブロードバンド生活に入りました。いずれGPLIPにもお邪魔することになるかな。そのときはよろしくお願いします。